思い出したくもないつらい過去にサヨナラする本 を読む前の自分の気持ち
思い出したくもないつらい過去がいくつかあります。
当時と比べるともちろんつらさや恥ずかしさ、悔しさや悲しさなどは薄れてはいますが、極力思い出したくない思い出をどうやって完全に消していくのか。
こういった嫌な記憶ってトラウマになったりもすると思うので、そういった記憶にサヨナラする、消える?そんな方法をこの本で学べるのかが楽しみです。
ただ、正直それは無理なのでは、とどうしても思ってしまいますが、読んでみたいと思います。
それでは、読み始めます。
はじめに を読んだ感想
読む前の自分の疑念がまさに書かれていました(笑)
自動的に湧いてくる嫌な記憶をコントロールできると思っていなかった筆者が記憶を簡単に消すことができたそうです。
ホントかなとやっぱり思ってしまいますが、目次をサラッと読んでみるとしっかり記憶を消す、考え方を変えるためのディテールが書かれていました。
これらを受け入れるためには、疑うよりも本の内容を受け入れることなのかなーと思いつつ、引き続き読んでみたいと思います。
序章
読みながらメモ
- 序章を読んでるうちに忘れかけてるけどちょっと嫌だったとか恥ずかしいとかやってしまった、みたいなことを思い出してしまいます(笑) 逆につらいです。
- 現実にあったことが1回だけだったとしても、50回思い出したら50回ダメージをうけるって部分、確かにと思いました。
- 脳が勝手に暴走して嫌な記憶をぐるぐると考え始めてしまう(グルグル思考)
- 寝つきはいいけど途中で目が覚めてしまう中途覚醒や早朝覚醒は未来の不安が大きい
- 自分がどんなときに眠ってしまうのかを知ることが睡眠コントロールに役立つ
- 眠るためには脳を空っぽにするのがいいが、嫌な記憶が湧いてくる人はなかなかそれができない 考えすぎる傾向があるので脳が勝手にフル稼働する
納得がいかない
脳が記憶をだどって自分が納得する答えを探して安定しようすることでグルグル思考が始まる。
それでも納得ができず 悔しい という感情がでたらさらにその出来事は脳に保存されやすくなる。
そういう場合は
相手にわかってもらおうとおもっても無駄なことが多いので言われたことを真に受けずに
「何かわからなかったけどいやだったのか」
「期限が悪かったのかな」
「心が狭いな」
などと相手のせいにして忘れてしまう
イジメの場合も
「自分は悪くない」
「あいつら社会ではやってけないだろ」
と相手がおかしいと思うようにする。
執着心
時間は巻き戻すことができない。
恋愛以外でもペットの別れなどもしかり。もう過去には戻れない。
なのでそれをいくら考えてもどうしようもないので、幸せに過ごした時間に感謝して執着を手放していく。
序章を読んだ感想
自分も納得がいかないことや執着心で過去を思い出すことが多々あります。
それが夢にでてくることもあります。
序章にあるようなそれを克服するための考え方。もちろん頭ではわかるんですが、そういきなり思うことは現時点では難しいです。
これが読んでいくうちにかわっていくのでしょうか。楽しみです。
第1章 過去の扱い方
読みながらメモ
- 先生と筆者のやりとり「もっと具体的なテクニックややり方が知りたい」がまさに今の自分の心境ですが、記憶を消すためにはまず過去の扱い方を知る。それによって記憶が消しやすくなるようです。
- 過去の記憶でも自分の今を形成するための必要な記憶と、その記憶がなくても困らない不要な記憶がある。
- 記憶は全て過去のもの
過去の扱い方
とにかく過去は変えられない
仕方がなかった もう済んだこと と言い聞かせる
時間の無駄だと分かってるのに過去に振り回されるのは、自尊心が傷ついてしまうから
同じような失敗を繰り返さないためにネガティブな記憶をとどめてしまう
これらは脳の機能の一部
- 原始時代は同じ過ちを繰り返すと命の危機になることがあったが、現代では命の危機になるような出来事はない。
- 運転や乗馬、なにをするにしても基本前をむいてやる。後ろを見ててはすすめない。それと同じ。
- 記憶は書き換えできないように思えるかもしれないが、所詮記憶はただのイメージと同じ。
- 人間には優れた忘却能力があり、興味のないことや必要ないこと、繰り返し学習しないことは脳から消去されるようにできている。
- 後悔しても過去は変えられない。時が解決するしコントロールできないのだから過去のことはあきらめる。
- 記憶が定着してしまうのは、そこに感情が入って紐付いてしまうから。思い出したときに感情を切り離して事実として思い出すようにする。(これらは逆に何かを覚えないといけないときに感情と結びつけるといいかも?)
客観的に見る メタ認知
自分がなんらかの負の感情をもっているときは自分を客観的にみる(自分が考えていることを考える)。
(例)
認知→説教されてて嫌だなー
メタ認知→私は今「説教されてて嫌だなー」って考えてる。
みたいな感じで。
これをやっていくことによって自分の思考パターンを把握でき、それができれば対処しやすくなる(なぜ?)
第二に事実を認識したうえでどう反応するかを選択できる。怒る、悲しむ、落ち込む、など。
NEXT思考
人は完璧ではないのでちょっとしたミスなどは日常茶飯事。
無駄だとわかっているのに過去のことを思い出すのは、それが完了していないから。
自分を納得させようとしている。なので無理やり答えを作ってしまい、次回は成功するためにはどうすればいいかを問いかける。
これがNEXT思考。
答えがでれば脳は落ち着きグルグル思考から脱却できる。
怒られたときは「なんで怒られたの?」って考えるより、「次回からは怒られないように注意しよう」とか自分がすっきりする、納得のできる答えを自分から積極的に探し出す。
失敗を考えるより、次に活かす方法を考える。
第1章 過去の扱い方 を読んだ感想
過去は変えられないからあきらめよう。
あきらめて未来を目指そう。
といったことが書かれていた第一章。
具体的なテクニックなどについてはほぼなく(サンプル程度)、第一章のこのボリュームでその「過去は変わらないから未来を目指そう」をすり込んでいるような感じでした。
でも確かにこのすりこみが効果的で、結論だけとか簡潔に話しを聞くより、この章のように一つのテーマを繰り返し繰り返し違う角度で頭にいれていくことでそれらがしっかりと少しずつ脳に記憶されている感じがしました。
そう思うと序章で筆者が出会った「先生」の対応も腑に落ちます。
結論からではなく自分への気づきも含めて少しずつ確実に順番でやることによって、この一見難しい「思い出したくもないつらい過去にサヨナラする」ということを実践ができるのではと思いました。
第2章 記憶を消すテクニック
読みながらメモ
記憶を消すテクニック
思い出していない時
嫌な記憶を思い出している時は脳が暇な時。新しいことをやったりすれば脳がそちら側にむいて嫌なことを考える時間が減るし前向きな生き方になる。
(1)以下のようなエクササイズ
- 思い出そうとしたら替え歌を作る(ドレミの歌の内容だけを変えていく など)
- 適当なオリジナルの呪文を唱える(ランドラブ・アマラッソー など。適当)
(2)具体的なテクニック
- 記憶を1分だけ短くする
- 思い出さない時間を1分でも短くして記憶をコントロールできるようにする
- 記憶の中の映像や音声を加工する
- 加工を使って最後は遠くに追いやる
- 楽しい場面を想像する(実際の思い出でも想像でもOK より具体的に)
- 未来の楽しいことを考える(非現実でもOK より具体的に)
- 新しいことにチャレンジする
(3)脳を再パターン可させるプログラム
- 大声で歌う(意識がそっちに向くように)
- 別のことを考える(英単語を覚えるなど)
- 再パターン可させる流れの一例
(4)鎖骨トントン
風呂に浸かっている時など外部からの刺激がないときに、鎖骨を利き手の中指の腹でトントンと一定間隔でリスミカルに軽く叩く。
そのうち鎖骨の振動がわかるようになるので、それを感じながら続ける。
慣れてきたら「大丈夫」「うまくいく」「気にするな」などの言葉を体に伝えるような感じでいれていく。
自分の中に溜まっていた感情が排出され嫌な記憶を思い出すことが少なくなっていく。
(5)爪圧迫方
利き手の反対側の親指の爪を見て、その付け根の両端を利き手の親指と中指で挟む感じで軽く押さえる(痛みなく刺激を感じるぐらい)。
ゆっくり息をすって深く吐きながら嫌な記憶が呼吸で排出されているようなイメージを。
これを親指から小指まで、合計3セットぐらい行うと心が落ち着いてくる。
(6)スクエア・アイ・ムーブメント
楽しい記憶を用意する。想像でもOK
いつもの嫌な記憶を思い出しながら、部屋の四隅に目を動かしてみる。
顔は動かさずに目玉だけ時計回りで 左上、右上、右下、左下の順番(1箇所1秒ぐらい)で、嫌な記憶を思い出しながら10周する。
その後目を閉じて最初の楽しい記憶思い浮かべる。これを数セット。
爪圧迫と組み合わせるとより効果的。(時計回り1周ごとに圧迫する爪を小指に向かって変えていく)
記憶と感情を切り離すのに役立つ。
(7)イメージ・ナラティブ・セラピー
過去の嫌な記憶の中の状況や言葉を置き換えてイメージして記憶を変える。
(8)イメージ・ゲシュタルト・セラピー
過去の嫌な記憶の中の相手に言えなかったことを言ったり、殴ったり蹴飛ばしたりなどを想像の中で行う。
(9)運命だったとあきらめてわりきる
第2章 記憶を消すテクニック を読んだ感想
まず、筆者と先生の話がすごくおもしろく、手っ取り早く記憶を消す方法を聞きたい筆者はまるで今この本を呼んでいる僕の気持ちと同じでした。
じらされながら、そして結論的には一瞬にして記憶を消す方法はないが、時間は多少かかっても徐々に記憶が薄らいでいき最終的に消す方法はある、と。
肝心の記憶を消すテクニックについてもこの章に書いてあります。
読みながらメモに書いた内容の中でも興味深かったのが思い出してしまったときにそのときの映像や音声を加工してしまうという方法です。
嫌なシーンを思い出したら、頭の中でそのシーンを白黒にして枠をつけてモザイクかけて縦横比変えて距離を変えて最後はテレビを消すみたいに消す(いろいろ楽しくいじっていってある程度いじったら消す、みたいな)。
嫌なシーンの会話だったらその音声にノイズを加えて速度を速くしたり遅くしたり、エコー入れたり電波が悪いときの会話みたいに途切れさせたりしながら最後は無音にする、など。
確かにこういう風に嫌な記憶をいろいろいじってたら意識がそっちにいくしちょっとおもしろくなってしまう、ということで悪い記憶が和らいでいくんだと思います。
他にも記憶を消すための具体的なテクニックがいくつか紹介されていました。
自分的には、鎖骨トントン、爪圧迫方、スクエア・アイ・ムーブメントはちょっと退屈な気がしましたし、イメージ・ナラティブ・セラピー、イメージ・ゲシュタルト・セラピーは第三者に誘導してもらわないと難しそうな部分もあります。
なのでこれは筆者も話しているように、この中で自分に合う方法を一つ、または複数やってみると良いと思います。
第3章 記憶のメカニズム
読みながらメモ
記憶ができるまでの流れ
- 外部刺激を互換で感じる
- 興味があれば短期記憶となる=興味がなければ忘れる
- 必要だと感じれば中期記憶となる=興味がなければ忘れる
- 反復したり、他のストーリーなどと連結させることで長期記憶となる=記憶が完全に定着される
記憶について
脳は脳細胞を走る電気信号で、どの経路を使って思い出すかで記憶の形が変わる。
記憶は不確実。人によって違うし自分によって歪められて記憶される。
また、自分の日常を通して変化する。正確に思い出せなくなる。
要するに、記憶は100%の真実ではないから、必要ない記憶は削除しても問題ない。
第3章 記憶のメカニズム を読んだ感想
まずはどのようにして記憶として残っていくかの流れ。
これを表面的にでも知ることで、何かしらのネガティブな出来事が怒ったときも記憶として定着されにくく自分でコントロールすることができるようになります。
また、記憶は所詮記憶で100%の真実、リアルではないので、必要ない記憶は削除したり、自分にとってプラスになるように大きく改ざんしても構わないってことです。
夢か現実かわからないときって現実でもあると思います。
あれって夢だったっけ?みたいな。
夢の中の出来事がそれぐらいの存在感を出すぐらい、記憶って曖昧なものなんだなーと改めて思いました。
第4章 本質的な改善
読みながらメモ
表面的なアプローチと本質的なアプローチ
- これまでの内容は表面的なアプローチで都度記憶を消していく
- 本質的なアプローチは自分の信念や価値観など根本を変えていくこと
劣等感
人生は競争じゃないから自分のできる範囲でやればいい。完璧な人などいないし、あくまで自分は自分の人生を生きよう。
罪悪感
誰もが人に迷惑をかけるしかけられる。当たり前のこと。過去のことを自分で咎めたってなにも変わらない。しょうがなかったとポジティブに考えて自分を許してあげる。
今を生きる
変えられない過去を思い出すのはただのクセ。
世界5分前仮説を誰もくつがえすことができないのだから、記憶すら自分のものではないかもしれない、ぐらいの気持ちで今を生きる。
第4章 本質的な改善 を読んだ感想
記憶を消すための表面的なアプローチ、テクニックと、自分自身を変えることで本質的に悪い記憶を記憶として留めないような脳(自分)にしていく といった内容でした。
この 本質的に変える というのが一番難しく、時間もかかる方法だと思います。
実際自分もこの章に関しては読んでみて「それはわかるけど・・・難しそう・・・」と思ってしまいました。
ですが、表面的なアプローチを覚えたことによって、本質的に変えていくというハードルが大分下がってきた感じがします。
なにかネガティブな出来事があったとしても表面的なアプローチで対応していきつつ、それを繰り返していくことで本質的にもかわっていけそうな気がしました。
筆者が真夜中に先生のところから車で帰る話もおもしろかったです。
思い出したくもないつらい過去にサヨナラする本 を最後まで読んだ感想
まず、筆者の水本和也さんのこの本の作り方が素晴らしすぎました。
筆者がこの本に出てくる「先生」から学んだことがこの本の作りにもでてました。
おそらく、思い出したくないつらい過去 を引きずっている人は、手っ取り早く嫌な記憶を消したい、忘れられるものなら忘れたい、と思っているはずです。
でも、1ページ程度で こうしましょう と結論だけ書かれているものをみても、おそらく記憶を消すことはできないと思います。
この本をじっくり時間を書けて読んでいき、いろんなことを思い出しては実行しつつ本を読んでいくうちに、少しずつ記憶を消すための考え方、記憶との向き合い方、などが心に刻まれていきます。
だからこそ記憶に対して前向きになれるし、前向きになったら消しやすくなるし、そして自分自身を変えていくことができるんだと思いました。
そういったことを思わせてくれたこの本の構成、言葉、展開の全てに衝撃をうけました。
多分自分がこれまでに読んだ書籍の中で一番ためになりました。
この本は、疑ってばかりで読む人には響かないかもしれません。
読みながら自分と向き合って、全てを疑わずに試してみたり考えたりしながら読んでいければ、めちゃくちゃためになります。
僕はこの本に出会えてよかったです。
著者: 水元和也