AIに絶対入力してはいけない情報とは?
知らないと怖い個人情報・機密情報の境界線
対象:WEB・AI初心者 / 読了時間:約12分 / 更新:2026年
「何でもAIに相談できる」と思って、何でも貼り付けたりしていないか?
AIは便利なツールだけど、入力した情報がどこへ行くかを理解した上で使うのと、知らずに使うのでは大きな違いがある。
今日は「絶対に入力してはいけない情報」をはっきり教える。知っているかどうかで、安全なAI活用ができるかどうかが決まる。
まず知っておくべき:入力した情報はどこへ行く?
ClaudeやChatGPTなどのAIチャットに入力したテキストは、基本的にサービスを運営する会社のサーバーへ送信される。
Anthropic(Claudeの開発元)やOpenAI(ChatGPTの開発元)はプライバシーポリシーを定めて情報管理をしているが、「絶対に外に出ない」という保証ができる情報は存在しない。セキュリティインシデントの可能性はゼロではないし、規約の変更が将来ないとも言い切れない。だから「入力しない方がいい情報」を事前に知っておくことが重要になる。
AIへの入力は、郵便ポストに手紙を投函するようなものだ。
「誰かが読む可能性がある場所に送っている」という前提で使うのが正しい。
プライベートな日記に書くのとは違う。投函前に「これは見られても大丈夫か?」と一度考える習慣をつけてほしい。
絶対に入力してはいけない情報 7カテゴリ
「なんとなく危なそう」ではなく、理由とセットで覚えることが大事だ。なぜ危ないのかがわかると、応用が利くようになる。
-
① パスワード・認証情報
これが最も危険。一度漏れたら即アカウント乗っ取りにつながる。「パスワードを忘れてしまったのでAIに保管する」という使い方は絶対NG。そもそもAIはパスワードを覚えておく機能はないし、入力する理由が一つもない。
例:SNSのパスワード・銀行のPIN番号・2段階認証コード・APIキー・Wi-Fiのパスワード -
② クレジットカード・金融口座情報
カード番号・有効期限・セキュリティコード(CVV)・銀行口座番号は、AIが答えを出すために一切必要ない情報だ。「家計の相談をしたい」場合も、具体的な口座番号は不要で収支の数字だけで十分答えられる。
例:クレジットカード番号・口座番号・証券口座情報・暗号資産ウォレットのシークレットフレーズ -
③ 本人確認書類の番号
マイナンバーやパスポート番号は、悪用されると本人になりすますことができる最上級に危険な情報だ。行政手続き・金融口座開設・ローン申請など、あらゆる場面で本人確認に使われる番号は絶対に入力しない。
例:マイナンバー・パスポート番号・運転免許証番号・保険証番号・在留カード番号 -
④ 他人の個人情報
自分の情報より注意が必要なのが「他人の情報」だ。友人・同僚・お客さんの名前や連絡先をAIに入力するのは、本人の同意なしに第三者のサーバーに共有することと実質的に同じになる。個人情報保護法の観点からも問題になりうる。
例:友人のフルネーム+電話番号・顧客の住所・同僚のプライベートな事情・本人未承諾の個人写真 -
⑤ 会社の機密情報・社外秘データ
「仕事でAIを活用したい」という気持ちはよくわかる。でも会社の機密データを無断でAIに送ることは、就業規則違反・情報漏洩リスクになりうる。特に上場企業では未発表の売上・M&A情報などはインサイダー情報に該当する可能性もある。
例:社内の売上データ・未発表の新製品情報・取引先との契約書・顧客リスト・人事評価データ -
⑥ 医療・健康に関する詳細情報
「AIに症状を相談する」のはある程度有効だが、具体的な診察記録・処方薬・病院名・保険情報などをセットで入力するのは避けた方がいい。健康情報は特にセンシティブな個人情報として各国の法律でも厳しく扱われている。
例:診断名と氏名のセット・処方箋の写真・健康保険組合の情報・精神科・心療内科の受診歴 -
⑦ 詳細な位置情報・行動パターン
「毎朝8時に○○駅から乗って、△△に住んでいる」という情報の組み合わせは、ストーカー被害や空き巣のリスクと直結する。AIへの相談でも、住所・よく行く場所・行動ルーティンを細かく入力するのは習慣にしない方がいい。
例:自宅の詳細住所+氏名のセット・通勤ルートの詳細・帰宅時間のパターン・長期不在の予定
✅ これで一連の流れは完了
パスワード・金融情報・本人確認番号・他人の個人情報・会社の機密・医療情報・詳細な位置情報。この7つを入力しない習慣を持つだけで、AIを安全に使えるかどうかが大きく変わる。次は「じゃあ実際どうすればいい?」を見ていこう。
実際どんな感じで使えばいい?(シーン別)
📋 シーン①:個人情報を含む文書を添削してもらいたい
履歴書や申請書など、本名・住所が入った文書をAIに添削してもらいたいケースがある。そのときは個人情報を伏せて入力するのが正解だ。添削の質は全く変わらない。名前や住所の正確な表記は文体・内容の添削に一切不要だ。
「この履歴書を添削して。
氏名:田中 花子
住所:東京都○○区○○1-2-3
電話:090-xxxx-xxxx」
「この履歴書を添削して。
氏名:○○ ○○
住所:東京都内
電話:省略
(個人情報は伏せています)」
💼 シーン②:仕事の文章をAIに直してもらいたい
メール文・企画書・プレゼン資料などをAIに添削してもらうのは有効な使い方だ。ただし会社の機密情報が含まれる場合は「固有名詞・具体的な数値を置き換える」ひと手間が必要になる。文体や構成の添削であれば、固有情報は仮の値で十分だ。
「株式会社○○との契約金額5,000万円の見積書を添削して」
「取引先A社との見積書の文体を添削して。金額はXX円と表記しています」
🔒 シーン③:パスワードの管理に悩んでいるとき
「パスワードを忘れた」「管理が大変」という相談はAIにできる。ただし、実際のパスワードを入力してはいけない。「強いパスワードの作り方」「管理ツールのおすすめ」を聞くのはまったく問題ない。「実際のパスワードを教えてください」と言ってくるAIは存在しない。もし言ってきたら詐欺サイトの疑いがある。
🏥 シーン④:体の不調をAIに相談したいとき
「最近こんな症状があるけどどう思う?」という相談はAIの得意分野の一つだ。ただし「診察記録の写真を貼る」「病院名と診断名と氏名をセットで入力する」のは避けてほしい。症状の内容を自分の言葉で書くだけで、十分な情報が得られる。
「田中花子、○○クリニック、診断書の写真を添付します。この病名についてもっと教えて」
「最近、朝起きると頭が重くて午後から楽になる。考えられる原因と対策を教えて」
会社でAIを使う場合は、まず社内のAI利用ポリシーを確認しよう。多くの企業では「社外秘情報のAI入力禁止」「個人情報の外部送信禁止」などのルールが設けられている。ルールが整備されていない場合も、上司や情報システム部門に確認してから使うのが安全だ。
個人向けAIと企業向けAIのデータ管理の違い
「どのサービスを使えばより安全なのか」という視点も持っておくといい。個人向けプランと企業向けプランでは、入力データの扱いが大きく異なるケースがある。
| 比較項目 | 個人向け無料プラン | 個人向け有料プラン | 企業向けプラン |
|---|---|---|---|
| 学習への利用 | 利用される可能性あり | オプトアウト可能なことが多い | 原則利用しない |
| データの保持期間 | サービスにより異なる | 設定で調整可能なことが多い | 契約による管理 |
| データの隔離 | 共有インフラ上 | 共有インフラ上 | 専用環境の場合あり |
| セキュリティ認証 | 基本的なセキュリティ | 基本的なセキュリティ | SOC2・ISOなど対応 |
| 会話履歴の管理 | 手動削除のみ | 手動削除のみ | 管理者が一括制御可能 |
| こんな用途に向いている | 個人の日常的な質問・学習 | 機密性の低い個人業務の効率化 | 業務データを含む社内活用 |
重要なのは、企業向けプランを使っていても「入力しない方がいい情報」はゼロにはならないという点だ。会社が契約している企業向けプランであれば業務データを扱いやすくはなるが、個人が自分のアカウントで使う個人向けプランを業務に使うのは原則NGと考えておこう。
プライバシー設定の確認方法(Claude・ChatGPT)
使っているAIのデータ管理設定を自分で確認・変更できることを知っておいてほしい。難しい操作ではないので、一度やっておくと安心できる。
-
1
Claudeの場合:フィードバック設定を確認する
claude.aiにログイン → 右上のアカウントアイコン →「設定(Settings)」→「プライバシー(Privacy)」から、会話データのフィードバック提供のオン・オフを確認できる。
-
2
ChatGPTの場合:データコントロールを確認する
chatgpt.comにログイン → 左下のアカウント名 →「設定」→「データコントロール」→「モデルの改善のためにデータを使用する」のトグルをオフにできる。
-
3
会話履歴を定期的に削除する習慣をつける
どのAIサービスも過去の会話履歴を手動で削除できる。月に一度など、定期的に不要な会話を整理する習慣があると安心だ。重要なやりとりは別途メモしておこう。
よくある疑問に答えます
まとめ
- AIへの入力情報は「誰かが見る可能性のある場所に送っている」という意識を持つ
- 絶対NGの7カテゴリ:パスワード・金融情報・本人確認番号・他人の個人情報・会社の機密・医療情報・詳細な位置情報
- 個人情報は伏せ字・置き換えで安全に使える。AIの回答の質は下がらない
- 企業向けプランは安全性が高いが、会社契約のプランと個人プランを混同しない
- プライバシー設定(学習へのオプトアウト・履歴削除)は一度確認して設定しておく
- 入力してしまった場合は会話履歴の削除+パスワード変更を速やかに行う
本当の意味での「秘密を守ってくれる存在」とは少し違う。
鍵のかかっていない場所に大事なものを置かないのと同じで、
「必要がない情報は入力しない」という習慣を今のうちから身につけてくれ。
使い方を少し意識するだけで、AIは格段に安全で頼れるツールになる。
EC・WEB・音楽・医療・フィットネスと幅広い現場を渡り歩いてきた現役ディレクターが、WEB・AIの世界に飛び込もうとしている娘に向けて、本音で解説するブログです。正確な情報を初心者に届けることを最優先にしています。