テラフォーマーズ、話を忘れたので整理する②
ANNEX1編 前半
前回のBUGS2編で、人類は火星の現実を知った。火星に放ったゴキブリは人間大のテラフォーマーへと進化していた。バグズ手術を受けた15人の乗組員たちは火星へ向かったが、結果はほぼ壊滅。生き残ったのは小町小吉と蛭間一郎だけだ。
普通なら、ここで「火星はもう無理」となるはずだ。でも人類は諦めない。むしろ次はもっと大規模に火星へ向かう。それがANNEX1計画だ。
ここから『テラフォーマーズ』は、本格的にややこしくなる。登場人物が一気に増える。各国の班が出てくる。M.O.手術が出てくる。マーズ・ランキングが出てくる。しかもテラフォーマー側も進化している。久しぶりに読むと、ほぼ確実に「誰が誰だっけ?」になる。
今回は、ANNEX1編の前半として、膝丸燈の登場から、アネックス1号が火星へ向かい、作戦がいきなり崩れていくところまでを整理する。
BUGS2から約20年後、人類はまた火星へ行く
ANNEX1編の舞台は、BUGS2編から約20年後。地球ではA・Eウイルスという謎の病気が問題になっている。このA・Eウイルスは致死率が非常に高く、火星由来のものと考えられているため、人類は火星へ再び向かう必要に迫られる。
目的は、A・Eウイルスのワクチン開発。そのために、火星のテラフォーマーからサンプルを採取する。これがANNEX1計画だ。
ここで大事なのは、BUGS2とは規模がまったく違うことだ。BUGS2は15人。ANNEX1は100人。しかも今回はバグズ手術ではなく、より進化したM.O.手術が使われている。
バグズ手術からM.O.手術へ
BUGS2の時代に使われていたのはバグズ手術。人間に昆虫の性質を組み込む手術だった。一方、ANNEX1の時代に使われるのがM.O.手術(モザイク・オーガン・オペレーション)だ。
バグズ手術では昆虫が中心だったが、M.O.手術では昆虫以外の生物もベースにできる。デンキウナギ、タスマニアン・キング・クラブ、モンハナシャコ、オウギワシ、ヒョウモンダコ、プラナリア。この時点で、能力バトルとしてかなり広がる。
ただし、M.O.手術は万能ではない。成功率は低く、能力を発動するには薬も必要。能力を持ったからといって絶対に安全なわけではない。ここが『テラフォーマーズ』らしいところだ。
膝丸燈という主人公
ANNEX1編の主人公が、膝丸燈(ひざまる あかり)だ。日本出身の青年で、最初は地下闘技場で戦っている。目的は幼なじみの源百合子を救うため。百合子はA・Eウイルスに侵されていて、燈は彼女のために危険な戦いで金を稼いでいた。
ただ、百合子は助からない。その後、燈は百合子と同じ病気に苦しむ少年・春風桜人を救うためにANNEX1計画へ参加する。
この参加理由はかなり重要だ。燈は「強いから火星に行く」のではなく、「救いたい人がいるから火星に行く」キャラなんですよ。しかも燈自身にも大きな秘密がある。普通の人間ではない。生まれつき異常な身体能力を持ち、M.O.手術を受ける前から特異な存在だ。
つまり燈は、単なる新人主人公ではない。BUGS2編の過去とつながる、かなり特殊な存在だ。後から振り返ると、登場時点からすでに伏線だらけである。
ミッシェル・K・デイヴスの存在感
ANNEX1編でもう一人の主人公級が、ミッシェル・K・デイヴスだ。BUGS2編の艦長、ドナテロ・K・デイヴスの娘。これだけで、前回を読んでいるとかなり重い。
ミッシェルは第2班の班長で、マーズ・ランキングは第5位。M.O.手術はパラポネラ&バクダンオオアリ。父から受け継いだ頑丈な身体と、バクダンオオアリの能力を兼ね備えた強力な戦闘員だ。
ミッシェルは、とにかく頼れる。強い。冷静。厳しい。でも、部下を見捨てるタイプではない。燈とミッシェルは、ともに「普通ではない能力を持つ存在」として扱われ、この2人がANNEX1編の中心になっていく。
小町小吉、艦長として再び火星へ
BUGS2を整理した後だと、ANNEX1の小町小吉はかなり感慨深い。あの若くて熱かった男が、今度は艦長。しかも再び火星へ向かう。普通ならトラウマで二度と行きたくない場所だ。でも小町は戻る。
公式ランキングでは第3位同率で、大雀蜂の毒針と腕力を武器に戦う。小町は火星の怖さを誰よりも知っている人物だ。だからこそ、艦長としてアネックス1号に乗っている意味は大きい。読者としては「小町がいるなら少し安心」と思う。でも『テラフォーマーズ』は、その安心感を簡単に壊してくる漫画だ。
ANNEX1は100人の大規模作戦
アネックス1号には100人の乗組員がいて、その中には6人の幹部乗組員がいる。それぞれが班を率いている。
- ▶ 第1班 ─ 小町小吉(日本)
- ▶ 第2班 ─ ミッシェル・K・デイヴス(アメリカ)
- ▶ 第3班 ─ シルヴェスター・アシモフ(ロシア)
- ▶ 第4班 ─ 劉翊武(中国・アジア)
- ▶ 第5班 ─ アドルフ・ラインハルト(ドイツ)
- ▶ 第6班 ─ ジョセフ・G・ニュートン(ローマ連邦)
ここから一気に情報量が増える。しかも各班に強キャラがいる。日本、アメリカ、ロシア、中国、ドイツ、ローマ連邦。単なる「人類 vs テラフォーマー」ではなく、各国の思惑が絡むチーム戦になっていく。
マーズ・ランキングとは何か
ANNEX1編でややこしいけど重要なのが、マーズ・ランキングだ。これは火星環境下におけるゴキブリ制圧能力のランキングで、つまり単純な戦闘力ランキングというより「火星でテラフォーマーを制圧する能力」を順位化したものだ。
このランキングがあるおかげで、誰が強いのかはある程度わかる。ただし、順位だけ見ていると危ない。能力の相性、戦場、本人の経験、裏の目的。そういう要素で結果が変わるのが『テラフォーマーズ』だ。
火星到着前から、すでに不穏
ANNEX1編の序盤は、船内でのキャラ紹介も兼ねている。燈、ミッシェル、小町、マルコス、アレックス、シーラ、鬼塚、アシモフ、アドルフ、ジョセフ。初見だと「強いメンバーが揃ったな」と思う。BUGS2の時より人数も多い。技術も進歩している。ランキング上位者もいる。今度こそいけるんじゃないか、と。
でも、火星はそんなに甘くない。
テラフォーマーは、BUGS2の時代より進化している
ANNEX1編の怖いところは、人類側だけが進化しているわけではないことだ。テラフォーマー側も進化している。ただ殴ってくるだけではない。武器を使う。知能がある。集団で動く。しかも、BUGS2メンバーの能力を利用した個体まで現れる。
これが本当に怖い。BUGS2の失敗が、単なる過去の悲劇ではなく、敵を強くする材料にもなっている。人類が火星に送り込んだ力が、今度は人類に向いているわけだ。
火星到着、そして作戦は一気に崩れる
ANNEX1は100人規模の大作戦で、人類側はかなり準備してきた。でも火星到着後、状況はすぐに崩れる。アネックス1号は予定通りの安全な作戦展開に入れず、メンバーたちは火星上で分断されていく。ここから一気に、誰がどこにいるのか、どの班が誰を連れているのか、誰が生きているのか、がわからなくなり始める。
ただ物語としてはここが面白い。大人数が一か所で戦うのではなく、班ごとに分かれて、それぞれのキャラの能力やドラマが見えてくる。ANNEX1編が本格的に始まった感じがする。
シーラの死で「この漫画だった」と思い出す
ANNEX1前半でかなり印象的なのが、シーラ・レヴィットだ。シーラはマルコスとアレックスの幼なじみ。彼女はかつて死んだと思われていたが実はU-NASAに救出されており、ANNEX1の乗組員として再会する。
ここだけ見るとかなりドラマがある。マルコスとアレックスにとっては大事な幼なじみとの再会で、読者としても「この3人の関係がこれから描かれるのかな」と思う。
でも、そうはならない。シーラは序盤で命を落とす。
この展開で思い出す。そうだった。この漫画、そういう漫画だった。BUGS2で秋田奈々緒が早々に死んだように、ANNEX1でも「大事そうなキャラ」が普通に死ぬ。シーラの死は、マルコスとアレックスに大きな影響を与える。ここから2人は、ただの若者ではなく、火星で戦う理由を背負ったキャラになっていく。
ANNEX1前半 登場人物まとめ
後で読み返して思い出せるように人物ごとに整理する。主要人物は厚めに、前半で本格的な見せ場がまだ先の人物は班・ランキング・M.O.手術・役割を中心にまとめる。
第2班|主人公側
ANNEX1編の主人公。源百合子の死後、春風桜人を救うために火星へ参加する。M.O.手術前から身体能力が異常に高く古武術も使える。BUGS2の奈々緒・張明明とも能力的につながる特殊な存在。前半ではまだ謎が多いが、この時点ですでに伏線だらけ。
生存BUGS2と接続BUGS2艦長ドナテロの娘。父からパラポネラの能力を遺伝で受け継ぎ、さらにバクダンオオアリの能力も持つ。燈と同じく「奇跡の子」と呼ばれる特別な存在。強く冷静で厳しいが隊員を見捨てないタイプ。
生存ドナテロの娘グランメキシコ出身。マルコス・シーラの幼なじみ。元野球選手志望で投球技術が戦闘に活きる。オウギワシの視力(人間の8倍)と握力で遠距離から敵を狙う。マルコスとセットで覚えがちだが所属は第2班。
生存第1班|日米合同班
BUGS2の生還者。ANNEX1では艦長として再登場。仲間を失い奈々緒を失い、それでも生き残った男が20年後に100人を率いて再び火星へ向かう。大雀蜂の毒針と腕力で戦う。この重みが小町小吉というキャラの核心だ。
生存BUGS2生還者日本出身の元ボクサー。モンハナシャコの驚異の視力と圧倒的なパンチ力で敵を粉砕する。ボクサーにモンハナシャコの能力というのが、かなりテラフォーマーズらしい組み合わせ。前半ではまだ本格的な大活躍はこれからだが、ランキング8位の時点で明らかに主力。
生存グランメキシコ出身。アレックス・シーラの幼なじみ。貧しい環境から這い上がった努力型で応援したくなるタイプ。アシダカグモの圧倒的な初速と攻撃力を持つ。シーラの死によってANNEX1前半から一気に感情が動くキャラ。
生存マルコス・アレックスの幼なじみ。2人には死んだと思われていたがU-NASAに救出され再会を果たす。しかし序盤で命を落とす。この展開がANNEX1版「そういう漫画だった」の瞬間だ。
死亡第3班|ロシア・北欧班
見た目から強い。大柄でベテランで圧がある。タスマニアン・キング・クラブの驚異的な硬度と再生能力を持ち、小町と同じ3位同率。前半ではまだ本格的な見せ場はこれからだが、最初から明らかに強者枠。
生存シルヴェスター・アシモフの義理の息子。スマトラオオヒラタクワガタの能力と専用装備を持つ。アシモフ親子の関係は後でかなり効いてくるので、ここで親子セットとして覚えておきたい。
死亡チョウセンアサガオの能力で敵を幻覚症状に陥らせ行動不能へ追い込む特殊タイプ。ロシア班はパワー一辺倒ではなく、こういう特殊能力持ちも揃えているのが強み。後半で情報面でも非常に重要な人物になる。
生存第5班|ドイツ・南米班
口元を隠したクールな雰囲気で、最初から「この人は何かある」と思わせる。公式ランキング2位で、生物史上最強の電撃で敵を焼殺する能力を持つ。前半ではまだ本領発揮前だが、ランキング2位という時点で完全に別格。次回以降で一気に重要になる。
死亡全能性幹細胞により最低限の材料があれば脳さえ再生し記憶も失わない能力を持つ。ランキング100位だが能力の特殊性は別格。前半ではアドルフのそばにいるキャラとして登場するが、後の展開にも大きく関わってくる。
生存第4班|中国・アジア班
名前の読みが難しいので注意(リュウ・イーウー)。毒と触腕、拳法を組み合わせて戦う。ランキング44位だが単純に順位だけで判断できない人物で、後にANNEX1編をかなりややこしくする中心の一人。前半では「第4班の班長で後で重要になる中国側の人物」と覚えておけば十分。
死亡体を透けさせて忍び寄る能力と中国拳法を使う。ランキング99位だが第4班はランキングだけで判断しにくい班。名前の読み(シイ・チュンリー)だけでも覚えておきたい。
第6班|ローマ連邦班
マーズ・ランキング1位。公式では「人類の到達点」とされ、能力はまだ明かされていないが驚異的な身体能力を持つと説明される。初登場時から余裕がありすぎる男。イケメンで強くて何を考えているのかよくわからない。前半ではまだ謎の多い存在だが、「ただ者ではない」感がとにかくすごい。
生存ANNEX1前半の強さ整理(マーズ・ランキング順)
公式マーズ・ランキングをもとに整理する。繰り返しになるが、マーズ・ランキングはあくまで「火星環境下でのゴキブリ制圧能力」のランキングだ。人間同士の単純な最強ランキングとは少し違う。能力の相性、戦う場所、敵の数、薬の残量で戦況は簡単にひっくり返る。
| # | 名前 | 班 / M.O.手術 |
|---|---|---|
| 1 | ジョセフ・G・ニュートン | 第6班 / 不明 |
| 2 | アドルフ・ラインハルト | 第5班 / デンキウナギ |
| 3 | 小町小吉 | 第1班 / 大雀蜂 |
| 3 | シルヴェスター・アシモフ | 第3班 / タスマニアン・キング・クラブ |
| 5 | ミッシェル・K・デイヴス | 第2班 / パラポネラ&バクダンオオアリ |
| 6 | 膝丸燈 | 第2班 / オオミノガ&華蟷螂 |
| 7 | アレクサンドル・アシモフ | 第3班 / スマトラオオヒラタクワガタ |
| 8 | 鬼塚慶次 | 第1班 / モンハナシャコ |
| 9 | マルコス・E・ガルシア | 第1班 / アシダカグモ |
| 10 | イワン・ペレペルキナ | 第3班 / チョウセンアサガオ |
| 12 | アレックス・K・スチュワート | 第2班 / オウギワシ |
| 44 | 劉翊武 | 第4班 / ヒョウモンダコ |
| 89 | シーラ・レヴィット | 第1班 / 不明 |
| 99 | 西春麗 | 第4班 / ミナミハナイカ |
| 100 | エヴァ・フロスト | 第5班 / プラナリア |
ANNEX1前半のまとめ
ANNEX1前半は、『テラフォーマーズ』本編の入口だ。BUGS2で人類は火星の恐怖を知った。その20年後、人類はさらに大規模な部隊を送り込む。100人の乗組員。進化したM.O.手術。各国の班。マーズ・ランキング上位者。BUGS2生還者の小町。ドナテロの娘ミッシェル。謎だらけの主人公、膝丸燈。
これだけ揃っているのに、火星到着後すぐに状況は崩れる。テラフォーマーはBUGS2の時よりさらに厄介になっている。そして人類側にも国ごとの思惑がある。
- A・Eウイルスのワクチン開発が目的。でもそれだけではない
- M.O.手術はバグズ手術の進化版。昆虫以外の生物もベースにできる
- マーズ・ランキングは「対テラフォーマー制圧能力」の順位。人間同士の強さとは別
- 燈とミッシェルはただの戦闘員ではなく、BUGS2の過去と繋がる特殊な存在
- テラフォーマーはBUGS2乗組員の能力を吸収して進化している
- 第4班と第6班は、この時点ですでに不穏な空気がある
- シーラの死が、ANNEX1版「そういう漫画だった」の瞬間
ANNEX1編は、ただのリベンジ戦ではない。火星の怪物、人類側の政治、各キャラの過去、能力の相性、裏切り。これらが一気に絡み始める本格的な地獄の入口だ。
- 01BUGS2編 ── 小町小吉・蛭間一郎・ドナテロ・ティン・奈々緒を整理
- 02ANNEX1編 前半 ── 火星帰還から20年後、ANNEX1計画の始動
- 03ANNEX1編 中盤 ── 各班が分断される死闘を整理
- 04ANNEX1編 後半 ── 第4班の裏切り、人間同士の戦い
- 05ANNEX1編 終盤 ── 通信作戦、燈の覚醒、九頭龍の登場
- 06ANNEX1編 最終盤 ── 火星大戦の終結と戦士たちの帰還
- 07地球編突入 ── 地球にすでにテラフォーマーがいた
- 08地球編中盤 ── 日本侵食、神奸達、小吉を巡る戦い
- 0923巻時点の勢力図と未回収の謎
- 10登場人物・強さランキング TOP20(個人考察)
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